センスのいい家族が暮らす家【vol.13 アートや民芸品が息づく家・平野裕也さん、よしみさん邸】 | HugMug
細く入り組んだ路地を抜けると、かつてロサンゼルスに建てられたイームズ夫婦の自邸・イームズハウスを彷彿させる住宅が突然現れた。ここは、鎌倉でプライベートサロン「wakuna」を営む平野裕也さん・よしみさん家族が暮らす一軒家だ。
「おじゃまします」と室内に足を踏み入れた瞬間、素足の裏に伝わる心地いいモルタルのツルリとした感触。庭を望む壁を一面窓にした大開口からは、明るい光がさんさんと差し込む。美しい庭と豊かな緑が常に視界へ映り込み、海辺の町らしい空間に体も心も開放感でいっぱいになった。
「家が完成したのは、コロナ前の2021年。築40年の古民家が2軒並ぶ山際の土地を購入して、山間のグリーンが丸ごと楽しめるような形で一軒家を建てました。設計を依頼したのは、逗子にオフィスがある一級建築士の稲山貴則さん。
それまで古くて味のある建物が好きだったのですが、稲山さんの作品を見たときに“新築もいいな”と思ったんです。高低差のある地形だったので、それを活かして、天井高をフルに活用した家づくりをお願いしました」
LIVING
薪ストーブが繋ぐ、
家族の温もり時間
山の斜面の土台を活かすようにしてつくられたスキップフロアは、リビングを中2階に設けることで、四季を通して明るい自然光が降り注ぐ。