2018年10月10日 11:00
2人の娘を持つ女性外科副部長が語る「改革には男性医師も味方に」
外科の中でも、特に“男性社会”の傾向が強いのではないでしょうか」
そう語るのは、日本バプテスト病院の外科副部長・大越香江さんだ。京都大学医学部附属病院で医師としてスタートを切った大越さんは、当直もオンコール(時間外待機)もいとわず、男性医師と同じように仕事をこなした。
しかし、34~35歳のときに出産。2人の娘の育児と仕事の両立に悩み苦しんだという。
「毎日、紙おむつに一つ一つ名前を書いて、シャツやズボンを3着ずつ用意して保育園の荷物作り。朝ご飯を食べさせて送り届けてから病院に出勤するんですが、それだけでいっぱいいっぱいでした」(大越さん・以下同)
医師としての成長期は、より多くの手術を経験しなくてはならないが、当時の大越さんは、手術室に入ることに“後ろめたさ”を感じた。
「夕方4時には病院を出て、子どもの迎えに行っていました。それでは日中に手術を終えた患者さんの術後管理をほかの先生に任せなければなりませんし、午後6時から始まるカンファレンス(症例検討会)への出席もできません。
手術に関するほかの仕事をしないで『手術だけやらせてください』と言えるわけもない……」
こうした経験から、育児中の女性医師が働きやすいよう、充実した院内保育を運営している病院を視察したこともある。