2018年10月10日 11:00
2人の娘を持つ女性外科副部長が語る「改革には男性医師も味方に」
「5年前にバプテスト病院に移ったあと、2つの要望を出しました。まず平日だけだった院内保育を、日直のある日曜日にも利用できるようにすること。そして、子どもが小学校に上がるときには学童保育を開設してもらうことです」
女性医師の声を集める過程で、東京大学大学院消化管外科の野村幸世さんと高槻赤十字病院消化器外科の河野恵美子さんに出会う。
「消化器外科は、大きな学会に出席しても男性ばかり。仕事、育児の悩みや愚痴を言おうにも、その相手さえいなかったので、同志ができたことは心強かったです」
3年前には「消化器外科女性医師の活躍を応援する会」を立ち上げた。
「“応援する会”としたのは、男性にも参加してほしかったから。会員は約100人。その半数が理解を示してくれた男性です」
まず、週末に開催されることが多い手術セミナーに注目した。
「育児に追われる女性医師が参加しやすいよう、赤ちゃんから小学生までを預かる臨時託児所を作り、子育て中でも手術の勉強をする機会を提供できました。学会では“応援する会”のセミナーも行っています。消化器の外科手術では欠かせない手術器具を、握力の弱い女性も効果的に使えるコツを学びました。