2019年2月15日 11:00
福島の主婦が追及!「政府の被曝基準論文」の不正疑惑
なのに、思った結果が出なかったのか、まったく違う論文を提出していた。これは重大な研究不正です」(黒川さん)
また、論文をあとで検証しようとしても、それもできない状況にある。
「早野氏らは、研究計画書に記された研究期間より1カ月も早く研究を終了し、その時点で、研究で使用したデータベースはすべて廃棄しています。倫理指針では、データはできるだけ長期間保管するように定めているのに、これも倫理指針違反です」(佐藤さん)
黒川さんは第2論文の問題点を10個ほど指摘する批判論文を、18年8月に論文を発行した出版社に投稿。それは11月には早野氏にも送られたが、いまだに正式な返答はない。
早野氏は先月8日、文科省の記者クラブ宛てに、「70年間の累積線量計算を3分の1に評価していた。初めて気づいた。意図的ではない」などと2枚の声明文を発表。
一方、東大で本格調査が始まり、伊達市でも第三者委員会による調査が始まった。
本誌の取材に早野氏は、「東大の本格調査や、伊達市の第三者委員会は始まったばかりなので、現時点で申し上げられることはございません」とメールで返答した。
個人データを提供したとみられる伊達市は、「調査委員会で調査を進めているが、データ提供について不明な点があった」