2019年3月24日 06:00
安田顕が語る“卑屈だった20代に身につけた人生訓”
選ぶと、自分の役の幅が決まってしまう気がしますしね。だから、たとえ自分にはそういう要素はないと思った役だとしても、挑戦してみて、できれば、それでいいし、できなければ、そう世間さまに評価されるだけ。そういうスタンスでやっていけたらと思います」
神代は、主人公の陽子に新たな道を示し、犯罪者へと変貌させる非情な男。役づくりのポイントは?
「人って、人のどこに引かれるんだろう?と考えたときにギャップかなあと思ったんです。神代はそのままやると荒々しすぎるし、ステレオタイプになってしまう。そこで逆に、こわもての彼が物腰の柔らかいところを見せたら、“こういう一面もあるんだ!?”とプラスに転じるんじゃないかと思って、そういうアプローチを心がけました」
陽子と神代の異質な関係の終着点も本作の見どころの一つ。「人生、笑ったもん勝ちや」と神代が陽子に語った言葉は、その後の彼女の人生に影響を与える。安田の人生訓は?
「“他人は他人、自分は自分”という言葉です。
20代半ばのころ、自分よりも優れた人がたくさんいるという現実を前に卑屈になっていたことがあって。当時は自分を奮起させる言葉だったんですけど、ともすれば冷たく聞こえてしまうと思い、ずっと封印していました。