主婦の倦怠感を消す長期休暇&ひとり旅(JINSEIのスパイス!第35回)
僕は胃潰瘍になって死にそうな思いでしたが、同時に強い使命感が生まれて、息子の子育てに全精力を傾けるようになるのです。するとこの5年間は“得体の知れないモヤモヤ”が不思議なくらいにスッと消え、精神は安定に向かいました。とにかくやらなければならないことがたくさん増えたこと、子どもの心のケアが優先で自分のことなんて考える暇がなかったことが大きな要因だと思われます。つまり、没頭するものがあったおかげで、僕は余計なことを考えないで自分を維持し続けることができたのです。
しかし最近、息子も成長し、僕の生活にもゆとりができてきました。すると、またあの“モヤモヤ”がどこからともなく出現し始めたのです。没頭するものがないからこそ、出てくる不満や不安なのかもしれませんね。同じような状況に陥ったフランス人の友達、息子の親友のお母さんがいます。
長らく家事・育児に専念してきたけれど、不意に自分が崩壊してしまうような不調を感じ始めたというのです。そこで家族会議をしたところ、彼女はご主人から「家事を離れてしばらくひとり旅に出なさい」と提案されたそうです。そこで僕は彼女に日本をすすめました。何かあった場合、僕の知り合いを紹介できるからです。