厚労省が財政検証で提案「月収5万8千円でも保険料を払え」
現在の水準から約42%の減額だ。とても暮らしていける額ではない。
さらに、「財政検証」に盛り込まれているのが「オプション試算」だ。仮に年金制度を改定した場合、年金財政がどうなるかを試算したもの。つまり、厚労省による実質的な「政策提言」である。
現在、短時間労働者は、収入や労働時間、勤めている企業の規模などの条件をクリアしなければ、主にサラリーマンを対象にしている厚生年金に加入する義務はない。今回の「財政検証」では、この条件を緩和した場合のオプション試算を行っている。
いちばん極端なオプションでは、労働時間や企業の規模などの条件が撤廃され、月収が5万8,000円以上ある人は、学生のバイトであろうが、厚生年金保険料を納める必要が出てくるのだ。
さらに、年金保険料を払う期間の延長も試算されている。
「現在の基礎年金の支払い期間は20歳から60歳までの40年ですが、それを65歳までの45年に延長するオプションです」(平野さん)
こうしたオプションを全て組み合わせた場合、将来的に所得代替率が最大10%以上、上乗せされると算出されているが−−。
「オプションをつけると年金が増えますと言いたげですが、たとえばパート労働者が厚生年金加入者となった場合、どのくらい手取りが減るかなどには言及されていない。