5割の医師が「診療やめたい」コロナ現場172人の悲痛な訴え
「感染リスクへの不安が、そういった回答の多さにつながっていると思います。3割以上の医師が、マスクを使い回ししていると回答しています。医療用のN95マスクは、本来は使い捨てです。何度も繰り返し使えば、形が歪んでウイルスの侵入を防げなくなる。『お守りぐらいの気持ちで使っている』という声もあります」(植山さん)
また、アンケートでは過酷な労働環境も浮き彫りになっている。雇用形態について「時間外手当はない」との回答がなんと24.4%。そもそも「契約書がない」という回答も19.8%となっている。植山さんによれば、こうした事例は労働基準法違反にあたる可能性が高いという。
また、高い感染リスクにもかかわらず危険手当が「ある」との回答はわずか18.6%だ。アンケートからは、過酷な労働を強いられている医師の姿が浮かび上がってくる。
たとえば《責任感皆無の院長と無能な感染管理委員長から防護具使いまわしで発熱外来を担当するよう一方的に命令されました》という回答者。《COVID-19診療に関わること自体は協力したいですが、 職員の安全を無視する当院で無駄死にをしたくないので転職を考えています》と、痛切な思いをつづっている。