5割の医師が「診療やめたい」コロナ現場172人の悲痛な訴え
「医師には命を救う責務があります。国や国民、目の前の患者のため、必死に働いています。それなのに、なんでこんな状況で働かされるのかという思いを抱えている医師は、少なくありません。そもそもコロナ禍の前から、日本は医師不足でした。勤務医の4割が過労死ライン(月平均80時間の時間外労働)を超えて働いていて、以前からまったく余裕がなかったのです。そこに新型コロナへの対応を迫られ、現場の医師にとってはたいへんな負担になっています」
実は、アンケートに回答した現場の医師の約1割が研修医だった。その中には十分な給与が支払われない、いわゆる「無給医」も少なくない。
アンケートでも《常勤有給医がCOVID-19対応にあたる原則はありますが、近年の大幅な人員削減により、無給医、大学院生、研修医がいないと診療が全く成り立たない科もあります》との回答がある。
「研修医は病院という組織ではいちばん“下っ端”ということもあり、不十分な報酬でも言われるがままに働かざるをえないのが実情です」(植山さん)
緊急事態宣言が解かれ、街にも徐々に人出が戻りつつある。
しかしアンケートには《感染拡大をやむなしとして、経済活動を再開したいのであればCOVID-19に罹患しても病院に来ないでほしい》という厳しい意見も。