小池百合子緊急インタビュー 本誌に語ったコロナ第二波への備え
そんななか、私が大きく構えることで、危機や不安がだんだん縮小していけば、それはむしろ安心につながると考えています」
たとえば、感染者数が増え始めていた4月上旬、医療崩壊につながらないよう、都は入院医療態勢の大規模な確保に乗り出した。重症度に応じた対応ができるよう医療機関の病床確保や、無症状や軽症の人を受け入れるためのホテル等の施設の確保を進めた。
「現在までに、3千300床の病床と宿泊療養用の2千800室のホテルの部屋を確保しております。いざというときに備えて大きく構えたほうが、皆さんの安心につながると考えました」
5月30日時点で、都内の宿泊療養者は20人に減ったため、段階に応じた病床数に縮小しているが、いつ第2波、第3波がやってこないとも限らない。そのために今でも大きく構え、備えている。大きく構えるお手本は、まだ東京が市だった時代、第7代東京市長を務めた後藤新平だという。
「後藤さんは、関東大震災で東京ががれきの山となったとき、誰も考えつかない途方もない規模で、震災後の東京を構築されました。『大風呂敷』と呼ばれながらも、結果、山手通りや明治通り、行幸通りができたんです。
医師でもあった後藤さんは、日清戦争から帰還した二十数万人の兵士を、瀬戸内海の島で隔離し、コレラ感染などの検疫業務に携わった方でもあります」