くらし情報『寝たきり・総入れ歯…それでも「最期にせんべいを」叶える歯医者』

2020年7月2日 06:00

寝たきり・総入れ歯…それでも「最期にせんべいを」叶える歯医者

一方で『必要以上の治療を受けたくない』『家で最期を迎えたい』など、自然な死を受け入れたいと思う人も少なくありません。そんな患者の声に医療側が応えられる環境が整ってきたことが、老衰死が増えた要因のひとつでしょう。老衰の多くは、家族に囲まれながら自宅で息を引き取っています」

そんな老衰死で注目されているのが神奈川県茅ヶ崎市だ。’17年に日本経済新聞が人口20万人以上の街を対象に行った調査で、茅ヶ崎市は、老衰死の割合が男性で1番、女性で2番目に高かった。

そんな茅ヶ崎市の特徴は、在宅医療の手厚さ。20床以上ある病院数は全国平均よりも低いが、患者からの連絡があったとき、24時間体制で往診ができるよう医師や看護師が待機する「在宅療養支援診療所」の数は、全国平均の約1.5倍となっている。

茅ヶ崎市では、この在宅医療を担う在宅療養支援診療所の数が多いからこそ、老衰死で亡くなる人が多いのかもしれない。医師や看護師のほかに、茅ヶ崎市では、歯科医師の在宅診療もさかんだ。
松井歯科医院の松井新吾院長は年間に500人もの寝たきりとなった人の訪問診療を行う。

「何も食べられなかった90代後半の男性に、何か食べたいものがあるかと聞いたら『大好きなせんべいが食べたい』とお願いされたことがありました。

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