くらし情報『寝たきり・総入れ歯…それでも「最期にせんべいを」叶える歯医者』

2020年7月2日 06:00

寝たきり・総入れ歯…それでも「最期にせんべいを」叶える歯医者

男性は歯が1本もなく、痩せ細ったことで入れ歯も口に合わなくなっていた。でも、あとは最期を迎えるだけという人には、なんとか食べてもらいたいでしょう。そこで入れ歯を調整したところ、パリパリといい音をさせてせんべいを食べてくれた。それから1週間もたたないうちに、男性は枯れるように亡くなりました。家族は『じいちゃん、最後にせんべい食えてよかったね』と」

この取り組みは、茅ヶ崎の歯科医師会の事業、「在宅歯科医療地域連携室」として展開。広がりつつあるという。

「横のつながりは歯科医師同士だけではありません。歯科医師会は医師会とも密に連絡を取り合っています。
これだけ仲のよい街はあまりないのではないでしょうか。それに茅ヶ崎市には、医師や歯科医師、薬剤師、ヘルパーなどが意見を交換できる『茅ヶ崎介護サービス事業者連絡協議会』というものもある。そのなかでは、患者も家族も納得できる最期を迎えてもらうためには、そこに関わる人たちも連携したほうが便利だよね、という話し合いも進んでいるんです」

連携の取れた在宅療養制度と、患者や家族に寄り添いながら納得の最期を迎えられるように尽力する人たちが、茅ヶ崎市の“老衰死日本一”を支えているようだ。

「女性自身」2020年7月14日号 掲載

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