「何度も流産危機に…」妻が支えた渡哲也さんの幕引きの美学
渡さんの長年の介護は本当に大変だったと思いますよ。できればお会いしてお悔やみも申し上げたいです……」
この数年、石原裕次郎さんも食べたという俊子さん手作りの減塩料理を口にしながらも、渡さんの頭から離れなかった課題が、“石原プロの幕引き”だったという。
実は昨年4月、本誌は石原プロの関係者のこんな証言を報じていた。
「渡哲也さんが、ついに俳優引退と石原プロモーションの幕引きを決断したのです」
当時、渡さん本人に決断の理由などについて取材を試みた。すると渡さんは目をつぶり、数秒間真剣な表情で黙考した後、付き添っていた運転手に、「事務所に連絡するように伝えなさい」と、静かに言い残して、自宅へと戻っていったのだった。
だが石原プロの元幹部は次のように語っていた。
「石原プロを“自分の目が黒いうちにきれいに終わらせる”というのは、渡さんにとって長年の悲願でもありました。ほかの(勝プロや三船プロのような)“スタープロダクション”のような終わり方にはしたくないということです。
渡さんとしては倒産とか分裂とかで、石原裕次郎さんの名前を汚したくない。それが彼の美学なんです。’11年に健康上の理由で社長からは退きましたが、渡さんが決定したとなれば、ほかの社員たちも従います。