くらし情報『小山明子 故・大島渚監督の闘病を支え続けた“ユーモア介護”』

小山明子 故・大島渚監督の闘病を支え続けた“ユーモア介護”

’10年10月には、ともに大病を経験した夫婦の念願だった金婚式も無事に済ませた。大島監督が80歳で死去したのは、その3年後。

「長い介護生活をともに過ごしましたから覚悟もできていて、涙もなかったんです。でも、主人の死から3カ月ほどして、自由が丘のレストランで、高齢のご夫婦の奥さんが旦那さんにビールをついでいる光景を見たとき、ああ、もう私にはあんなシーンはないんだと思って、初めて泣きました。なんでもない日常こそ、夫婦の幸せのかたちなんですね」

夫を見送って7年。気づけば自身も80代半ばとなり、体も悲鳴を上げ続けている現実もある。自身の介護についてはーー。

「介護では、自分も家族も抱え込まないことが大事。
『それだけの蓄えは残しているから、迷わずに施設に入れて』と伝えてあります。それまでは、このコロナのなかでも、ガーデニングなど、いまできること、楽しめることをやってます。“ピンチはチャンス”も、大島との介護生活が教えてくれたことです」

「女性自身」2020年9月15日 掲載
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