くらし情報『元会員・上野千鶴子さん「日本学術会議の原動力は“使命感”です」』

2020年10月21日 11:00

元会員・上野千鶴子さん「日本学術会議の原動力は“使命感”です」

上野さんが関わってきた日本学術会議のジェンダー関連分科会では、選択的夫婦別姓や男女共同参画社会に向けた民法改正、性暴力を防ぐための刑法改正についてなど、2003年から現在までに、さまざまな提言や報告、要望などを19本も発表してきた。

「学者の提言ですから、出典もデータも学術論文並みの精緻さで、ものすごく手間をかけて作成されたものばかりです。しかし、提言や報告がどのように生かされるかは、時の政権次第です」

日本学術会議が出す提言や要望には強制力はない。受け入れるかどうかは政治の選択だ。

「たとえば、学術会議は選択的夫婦別姓を含む民法改正への提言を発出しました。選択的夫婦別姓は、民主党政権で福島瑞穂さんが男女共同参画担当大臣になったときに実現できるのではないかという機運が高まりました。これは法律を変えたら済む話で、予算措置は0円ですから、やる気さえあればすぐにできるんです。しかし、福島さんは普天間基地移設問題で、閣内不一致で政権を離脱しました。
結局、今に至るまで選択的夫婦別姓は実現していません」

一方、日本学術会議が行った要望や提言が社会に大きく変える例もある。近年では、たばこ規制に関するものが象徴的な例だという。

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