「美智子さまの本棚」がベトナムの子供に希望を与えていた!
長女の出産祝いとして日本の友人からプレゼントされたのだ。
“生き生きとした登場人物たちに親しみを感じ、色も鮮やかで想像力がわく。こんな本はベトナムにはない”と、ひと目で魅了された。
「実は、ベトナムでは長い戦争と貧しさのために『絵本』というものがまったくといっていいほど存在しなかったのです。日本ではお母さんが絵本を読み聞かせるのは当たり前の光景ですが、その大切さを理解してもらう啓発活動も必要でした」(勝さん)
後日、美智子さまから大使館を通じて、幼少期の読書の思い出を綴られたご著書『橋をかける 子供時代の読書の思い出』が、勝さんとヒエンさんに贈呈された。その中に記された言葉に、2人はたいへん感激したという。
《読書とは人間の喜び・悲しみを理解する「根っこ」と想像力を育む「翼」を作るもの》
そして勝さんはこう決意した。
「ぜひとも、このご著書をベトナム語に翻訳して、広く美智子さまの思いをベトナム人に伝えたい」
そして、翌’18年の美智子さまのお誕生日、10月20日に『橋をかける』の日越版の出版記念式典を挙行することができた。
二人の活動について、美智子さまと親交のある絵本編集者、末盛千枝子さんはこう語る。