【 玉置妙憂×辛酸なめ子特別対談(2)】家族に囲まれた最期は本当に幸せなのか
玉置「病室には入れないので、画面越しに看取るということはありますね。病院によっては、最期は入っていただいたりするところもあるようですが」
辛酸「病院によっても対応は異なるということですね」
玉置「『看取りに立ち会えない』ということは医療現場にとって問題ですし、ご家族や患者さんにとってつらいし、悲しいことです。けれど、ここからあえて、あえて学びを得ようとするならば、『いままでと同じではないやり方』を問われている機会でもあると思うんです
つまり、いままでは『定番』としてこうするのが普通だよね。と、私達が錯覚していたことが全然普通ではなくて、しかも全然それがベストでもなくて、それぞれの人がそれぞれのやり方で自分自身のベストなやり方を探す機会を貰ったような気がするんです」
辛酸「看取りも、コロナ以前にも、『臨終の場面に全員が全員集合しなくてもいいのではないか』『亡くなる際をみんなに見てもらわなくてもいいのではないか』と心の中で思っていた方もいるかもしれませんよね」
玉置「そう考えていたけど、これまでとても言い出せなかった方もいらっしゃいますよね。実際に、あるおばあさまが亡くなる、もう少しですねって話になりまして。