少年ジャンプの“原点回帰”人気絶頂で連載終える漫画増えた理由
だが、その契機は数年前にさかのぼる。14年に『NARUTO』(全72巻)、16年に『BLEACH』(全74巻)、18年には『銀魂』(全77巻)といった15年以上連載した長期作品が軒並み終了。その背景にはジャンプ編集部の“新人発掘”への思いがあると、成馬氏は分析する。
「長期連載のベテラン作家陣ばかりになってしまうと、誌面がどうしても保守化してしまいます。雑誌の新陳代謝ができていないと、新しい少年読者も入ってこれない。その辺に気づいたのが4年前あたりなのでしょう。そして16年に『鬼滅の刃』、18年に『呪術廻戦』と『チェンソーマン』が連載を開始して、去年から今年にかけて花開きました。
これはジャンプに限ったことではないのですが、新人が育っていないメディアが今、非常に多い。
若い才能がフックアップされてヒット作を生み出し世代交代が起きることこそが文化的に豊かな状態です。最近のジャンプはそれを意識的におこなっている。
基本的には編集部の方針として、新人を育てたいということが昔からずっとあるわけです。今は、いい意味で“作品主義”に戻ったというか、ある種の“原点回帰”なのだと思います」
さらに、14年からスタートしたアプリ・ウェブサイト「少年ジャンプ+」