本誌記者に不自然な笑み…小室佳代さんの半生取材で見えたもの
「小室さん、突然すみません……」
彼女の顔が一気にこわばるのが見て取れた。怒りとおびえがないまぜになったような感情が目元に浮かび、表情に険しさが増していく。
「秋篠宮さまがお二人の結婚を認めるご発言をされましたが、お母さまとして今、率直にどんなお気持ちでしょうか?」
しかし、佳代さんは進行方向の一点を凝視するかのように、前だけを向いて決して顔を動かさない。やや前のめりの姿勢のまま、ズンズンと歩みを進める。
「何もお話したくありませんか?」
記者には、そのとき彼女が小さくうなずいたようにも見えた。
「朝早くから、こんな遅くまで、お仕事ご苦労さまでした」
そうねぎらうと、いきなりピタッと足を止め、不意に記者のほうに向き直った。
そして、マスク越しにも“作り笑いですよ”と、ハッキリ伝わる不自然な笑みを記者に向け、絞り出すようにこう言った。
「ご苦労さまでございました」
こくりと頭を少し下げ、足早に改札を抜けると、佳代さんは帰宅ラッシュのホームへと姿を消した。
「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載