くらし情報『枝元なほみの「夜のパン屋さん」コロナ禍のパン廃棄や困窮支援に』

枝元なほみの「夜のパン屋さん」コロナ禍のパン廃棄や困窮支援に

聞けば、販売する場所も決まっていないという。それで、かもめブックスさんを紹介したんです」

販売員には、ふだんはビッグイシューを売っている男性3人が選ばれ、開店準備が整った。営業は木・金・土曜の午後7時30分からで、売り切れ次第か10時まで。その日にどこのパン屋さんの商品を販売するかなどは、SNSで告知することになった。グランドオープンは、「世界食糧デー」と同じ昨年10月16日。当初3軒だった協力店も、やがて11軒にまで増えた。その後も、枝元さんは、自ら販売の現場に立ち続けている。

「私なんて、お客さんが列を作り始めると、もう焦ってヒーッとなっちゃって(笑)、オープン前でも『あるパンから販売しちゃおうよ』と言ってしまうんですが、販売員の彼らは『時間厳守。
ルールをきちんと守らないと、逆にお客さんに失礼ですよ』と。厳しかったり、やさしかったり、これまでの人生でいろんな苦労をしたんだなぁと思うんです。『2年前は外で寝てたけん』なんて聞くと、ここが終わったら、どこへ帰るんだろうと考えて、特に雨や雪の日は、いろんな人のことが心配になります」

オープン以来、順調に動きだしていた夜のパン屋さんだったが、現在は緊急事態宣言をうけて休業中だ。

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