退職金で豪遊、年金に不安…老後資金にまつわる「勘違い」を正す
「年金は現役世代がお金を出して一定の年齢以上の高齢者を支えるという仕組みで、“貯蓄”ではなく“保険”です。現役世代の人の年金保険料で、一定以上の人を養うようにします。極端にいうと、現役世代の人がひとりもいなくならない限り、年金が消滅することはありません。『少子高齢化が進むと保険料を支払う人が少なくなり、受け取る人が多くなるため破綻するのではないか?』と言う人もいますが、これも間違い。幅広い世代で年金を負担しようと、国民年金の半分は税金でまかなわれています。しかも、年金の財政が悪化するのを防ぐために制度改正を行い、苦しくなったときに備えて『年金積立金』が200兆円近くあるので、年金不安をあおる話に惑わされる必要はありません」
老後の準備は、毎月誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で、退職した後に1カ月どれだけの収入があるか、確認することが基本。
「『人生100年というけれど自分はそんなに長生きしない』と思っている人も多いのですが、これも大きな勘違いです。50%の人が生存している年齢をいう『寿命中位数』というデータがあり、今の50歳の男女が現在平均年齢に到達するころ、50%の人が生存している年齢は、なんと男性は90.3歳、女性は97.3歳にもなります。