2021年3月29日 11:00
ヤングケアラーの孤独救う支援団体「自分守るため逃げてもいい」
「私自身、まだ『ケアラー』の言葉もない時代から、物心つくのとほとんど同時に、家族の面倒を見てきました。兄の世話に母の介護が重なり、“多重介護”となったときには、これから必ず私のような人が増えていくだろうと予測していました」
何よりつらかったのは、誰にもわかってもらえないという孤独感だった。「このままではいけない」との思いこそが、「自分の人生を自分らしく生きる」ことを掲げてケアラー支援を続ける持田さんの原動力となっている。
ヤングケアラー向けの「中高生のかたり場」をスタートさせたのは20年秋のこと。つい先日も7人が参加して、オンラインでの対話を行った。持田さんが、そのきっかけについて語る。
「4年ほど前にヤングケアラー世代の中高生と語り合ったときのこと。ケアラーの中にも私をはじめさまざまな職業の大人がいたのに子供たちが驚いて、『福祉とか介護職とかじゃなくて、私たちも将来、好きな仕事を選んでいいんですね』と目を輝かせたんです。
ふだんから家庭で、『あなたはしっかり者だから』と言われながら家族の世話や介護をしているから、その延長で生活していくしかないと思ってしまう子供たち。そうやって自分の感情を抑えつけている間に、徐々に主体性が摘まれていくんです。