くらし情報『「病気=不幸せ」ではない。認知症ラジオMC3人合わせて265歳!』

2021年4月26日 11:00

「病気=不幸せ」ではない。認知症ラジオMC3人合わせて265歳!

それから、ひらめいたという。「認知症のおばあちゃんたち、ラジオに出ないかな」と――。

メンバーいちのおしゃべり上手で、時おり毒を吐く酒井さんは、昭和8年生まれの87歳。

「生まれたのは北九州の若松ね。父は戦争で硫黄島に行って亡くなった。やっぱ泣いたよ、私は」

ときには過去と現在が交錯する。

「戦時中はこのあたりも空襲はあったよ。ここのスタッフが『ここから逃げなさい』って言ってくれるけん、それで逃げた」

母も早くに他界。
年の離れた兄が親代わりだった。

「でもね、ここは楽しいよ。親のおらん私たちでも丁寧に扱ってくれるしね。幸せと思ったね。父もおらんで、兄と姉と3人だったから、(幼少期は)寂しかった。その点、ここは、いい人ばっかやから。ラジオも楽しいね。私、バカ言うのが好きなんよ。
冗談とかがね」

一方、天神さんは、自分のことを「テンコ」と呼ぶ。

「テンテンテン鞠、テン手鞠♪って歌があるじゃないか。テンコは鹿児島の田舎、川辺郡(現・南九州市)川辺町上山田で生まれました。何歳ですかねぇ。もういい年よ。顔のよかオゴジョって言われよったよ、私は。別嬪さんちゅうこと。それが今は誰一人としてほれてくれる人も、『おまえかわいいのう』と言ってくれる人もおりません!」

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