2021年4月26日 11:00
「病気=不幸せ」ではない。認知症ラジオMC3人合わせて265歳!
ラジオでのことを聞くと、すでに記憶にないようだった。
「は?私がなんでラジオやる?おしゃべりは多いと。黙っといたら寂しいでないかい。日は長いし、誰もしゃべってくれる人がおらんと『ああ、寂しい』ってなるからね。そうするとボケがくるんだよ。ある程度、年を重ねたら、独り言でもいいから、小さな声でしゃべったり、歌ったりせんとね。しまいにはもう何が何だかわからんことなって、ションベンしかぶるわ!」
お姉さんキャラで、世話好きの中村さんは、いつも柔らかな笑みが絶えない。
「生まれたのは昭和5年6月3日。
だからもう90歳!」
と、90歳に力をこめた。生まれは愛媛県。学校を出た後、紡績工場や製鉄会社の電話交換手などをして懸命に働いたという。
「働きづめやった。こっち(福岡県)に来て、戦争の真っ最中に国鉄に勤めよってね。切符切りしよったの。みんなが疎開してくるやろ。それを区別せないけんから、貨車から飛び降りよったしね」
話の後半は、理解不能。
でも、そのままを受け止めればいい。何度も繰り返した言葉は、「楽しい」だった。
「ラジオ?楽しいよ。私ね、なんでも参加するの。散歩も楽しい」
権頭さんは言う。