羽野晶紀 芸能界入りのきっかけは’83年『フラッシュダンス』
と、続く9時からの『Gメン’75』(’75〜’82年・TBS系)だった。
「世界観がすごくカッコよかった『Gメン』は、芸能界への憧れを抱くきっかけにもなりました」
中学時代には松田聖子や中森明菜、小泉今日子といったアイドルが続々とデビューし、その思いはますます強くなっていく。
「それで中3のときに、父に『私も芸能界に入りたい』って言ってみたんです。当然『何を言っているんだ!?』という反応で、芸能界のことをよくわかっていないものだから、『宝塚歌劇団に入らなければ、芸能人にはなれない』と。父にしてみれば、小柳ルミ子さんのように、スターは宝塚で学んで、なる職業だと思っていたみたいです。今のようにスマホで簡単に情報を得られる時代ではなかったから、私も父の言葉を信じ、高校受験時の面談で、先生に『宝塚音楽学校を受けたい』と話してみたんです。そうしたら『もうとっくに願書を締め切っている。そういうことは早く言いなさい』と。
すごくがっかりしたのを覚えています」
芸能界をあきらめかけたそのころ、映画館で見たのが『フラッシュダンス』だった。
物語はダンサーを夢見る18歳の女性が主役。養成所のオーディションにチャレンジしたいが、バレエ経験がないために臆してしまう。