2021年10月4日 11:00
最高齢女性サーファー71歳!ビッグウェーブに年齢関係なし
笈川さんも湘南に住んで、プロにならないか?」
このとき、23歳。笈川さんは人生の大きな岐路に立っていた。
■結婚を選び、子宝にも恵まれ……しかし、体が悲鳴を上げた
「それまでも、沖に流され戻れなくなったり、死にそうな目に何度もあってたし。自分があと何年できるか、考えちゃって。ちょうどそのころ、のちの夫と付き合い始めてた。それで、波乗りじゃなく結婚を選んだの。二度と海には戻らないという覚悟でね」
友人の結婚式の二次会で出会った彼は同い年。笈川さん同様、実家は寿司店を営む板前だった。
「堅い職業の男性に嫁がせたい」と考えていた両親、とくに母は結婚に大反対だった。
「寿司屋の苦労は知ってたから、私も本当はサラリーマンと結婚するつもりだった。でも、それまで恋愛らしい恋愛をしてこなかったから、だまされちゃったのね(笑)」
25歳で結婚。ところが、その1年前から、体に異変が生じ始める。
「急に、たびたびぎっくり腰になるようになって。病院で診てもらったら、生まれつき重度の脊柱側彎症だったことがわかったんです」
それまでは、ゆがんだ体を海で鍛えた筋肉が支えてくれていた。サーフィンをやめ陸に上がったことで突如、病いが表面化したのだ。