くらし情報『トキワ荘の紅一点 水野英子語る「24時間マンガ漬けだった日々」』

2021年10月31日 06:00

トキワ荘の紅一点 水野英子語る「24時間マンガ漬けだった日々」

故郷の下関市で水野さんを出産している。

「満州の高官をしていたという父の写真1葉だけが家に残っていましたが、戦後の混乱で父は帰らず、私には父の記憶はありません」

仕事で不在がちな母に代わって育ててくれたのは、祖母と、水野さんより12歳年上の叔父だった。

マンガとの出合いは、小学校2年のころ。銭湯の真向かいに貸本屋があり、学校から帰ったらすぐ、カバンを放り出してマンガを借りて帰るのが日課になった。

「小学校3年のときに貸本屋で借りた手塚治虫先生の『漫画大学』は衝撃でした。初心者が使いやすい画材など、マンガの描き方が懇切丁寧に説明されていたのです。掲載されていた5~6編の中編マンガもミステリ、西部劇、メルヘン、SFなど、新鮮なテーマのものばかり。悪人も単なる悪人ではなく、その人の背景や人生が深く描かれ、考えさせるものでした」

水野さんは、一気にマンガにのめりこむ。
小学校5~6年ごろには、『漫画大学』をバイブルに、コマ割りをし、ペンを使って、本格的なマンガを描くようになっていた。

「家族みんな絵心があったんです。叔父は美術部でしたし、母も自治会に頼まれて、非常に綿密な紙芝居を作っていた記憶があります」

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