2021年11月3日 18:00
心臓病で旅立った翔平ちゃんの母明かす大谷翔平との“キャッチボール”
それでも静葉さんは胸に湧き上がる不安を押し殺し、翔平ちゃんに明るい笑顔を見せるようにしていたという。
「翔平も人工心臓が2つで、二刀流やな!大谷選手といっしょやで!翔平も元気になったら、大谷選手の応援に行こうな」
■「(翔平ちゃんが)自分の名前から名付けられたことは光栄です」
2台の補助人工心臓に頼らざるをえない状況は細い平均台の上をそろそろと歩くことにも似ていた。それに補助人工心臓はあくまでも心臓移植への“橋渡し的な役割”を果たすにすぎないのだ。
だが移植手術を受けるためには莫大な費用が必要となる。海外での移植手術は、ほとんどが自己負担となり、また渡航するためには医療設備がそろっている専用のチャーター機に搭乗しなければならない。
「夫や私の知人たちが募金をするために『しょうへいくんを救う会』を立ち上げてくださったのは’18年6月のことでした。会の活動を知ってもらうために、私たちも記者会見に臨みました」(静葉さん)
太志さんや静葉さんにとって、大勢の報道陣の前で話すことはもちろん初めての体験だ。しかし2人は息子のために必死に訴えかけた。
「多くのことは望みません。ただ生きて、一度も帰ってきたことのないおうちに帰ってきてほしいです。