2021年11月24日 11:00
この冬懸念されるインフル・コロナの同時感染 死亡リスク2倍増の報告も
昨年、流行しなかった手足口病も、現在、九州で流行しています。いずれも、昨年の患者数が少なかったため、十分な免疫を獲得できなかったことが原因でしょう。インフルエンザにも、同様の危険性があるのです」
■同時感染により肺炎が重症化する
新型コロナとインフルエンザが同時に流行した場合に危惧されるのは、冒頭で触れた同時感染だ。
東北大学災害科学国際研究所で災害感染症を専門としている医師の児玉栄一さんは、長崎大学らの研究をこのように読み解く。
「これまでは、あるウイルスに感染すると、他のウイルスの感染や増殖を防ぐ『ウイルス干渉』が起こるといわれてきました。しかし、長崎大学らの研究グループの発表は、新型コロナウイルスとインフルエンザは同時に感染する可能性があることを示しています。『ウイルス干渉』は、昨年同時流行が起こらなかった要因とされていましたが、このような考えに一石を投じる研究だと思います」
研究では、インフルエンザ、新型コロナ単体に感染した場合よりも、同時感染したときのほうがより肺炎が重症化し、回復に時間がかかる可能性も指摘されている。
「研究によると、インフルエンザウイルスとコロナウイルスは同時期に異なった細胞に感染していることがわかります。