くらし情報『89年間ゲイを隠して西成へ カムアウトし見つけた「家族」たち』

2021年12月5日 06:00

89年間ゲイを隠して西成へ カムアウトし見つけた「家族」たち

軍の使役仕事などをして現地で生きながらえた長谷さんは、終戦から1年余の46年9月、やっとの思いで帰国を果たした。当初こそ故郷・香川県で暮らした長谷さんだが、20歳を迎えるころには、大阪・東大阪に移り住む。

「仕事はいろいろやったよ。電信局に勤めたこともあったんやけど、長続きせんかった」

長谷さんはその後、倉庫作業員や清掃員など、11もの仕事を転々としたという。

「もう、どんな仕事に就いとったか全部は覚えてないわ。替わりに替わったからね。転職を繰り返した理由?それはやっぱり、学歴がないから。小学校卒業の人間なんか、大きな会社はどっこもなかなかな……。
『小学校しか出てません』言うたらね、ばかにして入れてくれへん。ま、いまもそうかもわからへんけど、そんなおかしな時代やったわ」

■同性愛者であることを誰にも打ち明けられず、ひとりで生きてきた

長谷さんは、少年のころには、自分が同性愛者だと気づいていた。

「前に言ったように家に父親はいなかったからね。家にいたのは母親、母方の祖母、それに当時は姉がいた。しばらくたったら妹も。とにかく女ばっかりの家で育ったの。さらに近所には叔母もいて、その家には年の近い従姉妹が2人いて。

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