くらし情報『映画監督・安藤桃子さん「父・奥田瑛二がくれた“親の七光り”は『超貧乏暮らし』でした」』

2021年12月22日 15:50

映画監督・安藤桃子さん「父・奥田瑛二がくれた“親の七光り”は『超貧乏暮らし』でした」

とは、手を差し伸べることなく「すべてを見せること」なのだろう。

役柄に寄せて変わる父の立ち居振る舞い、事業に失敗して丸めた背中、すべてを投げ打ってフィルムづくりに取り組む情熱……カッコいいときも、カッコ悪いときも、すべてを父の背中と作品を通して、桃子さんは感じ取ってきた。

だから、あのロンドンでの極貧生活さえも、映画監督になるための糧にできたのだろう。いや、どこかで楽しんでさえいたのではないか。

以前、父の奥田さんにインタビューしたとき、こんなことを言っていたのを思い出した。

「よく『親の七光り』と言うけれど、好んで面倒をみる親の子は、ぜんぶ潰れていくよ。いま生き残っているのは、そういうのがなかった二世だけだよね」

奥田さんは、手を差し伸べたくて、もどかしい気持ちを抑えて「無視を決め込んできた」と語ってくれたものだ。だからか、桃子さんは父と同じ「監督業」でデビューしながら、父とは違う立ち位置で、高知県に母子で身を置き、独特のアプローチで注目を集めている。


「2作目の監督作品『0.5ミリ』(’14年製作、安藤サクラ主演)を全編、高知ロケで撮ったのは、直感で決めたんです。ミジンコや畑の土、抽斗のハンカチ、宇宙人のような俯瞰もあれば、あらゆる視点に立たなければいけないのが監督の仕事。

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