2022年3月19日 06:00
高齢親の金融資産どう管理する?脳梗塞で判断能力失うと「凍結」される場合も
親が認知症になってしまうと、ただでさえ大きな精神的ショックを受けるものだが、じつはお金の面でも「財産凍結」という衝撃的な事態が起こってしまうのだ。老親が健在なうちにしっかり対策を取っておこうーー!
「高齢者が保有している財産が、本人の判断能力の低下によって使えなくなる、動かせなくなることを、財産の『凍結』といいます。具体的には、預貯金の引き出しができなくなるほか、定期預金の解約、株式や投資信託などの売却も難しくなります。不動産の売却やリフォームも同様です。こうした凍結は認知症に限らず、脳梗塞や事故の後遺症などによって判断能力を失ってしまったケースでも起こりえます」
こう語るのは、『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)の著者で、司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員の元木翼さん。
「父が脳梗塞で急に倒れて、しばらく入院してしまいました。万が一再発して判断能力がなくなったら、どうなるのでしょうか?」
ある日、このような相談が元木さんのところに来た。相談者は50代の娘。
相談者の父は若いころから株主優待銘柄の株取引が好きで、複数の銘柄を持っていた。