2022年4月1日 15:50
枡アナは研究員、富川アナはトヨタ!アナウンサーの転職先が多様化する理由
「情報番組を担当していたときは、誰かの代弁者として原稿を読んだり、司会をするといったことが多かったんです。我を出さずタレントたちを受け止める存在がアナウンサーなのだと、私は感じていました」
目の前の仕事にまい進していくなかで、あることに気がついたと伊東さんは続ける。
「バラエティ番組やラジオを担当し、自分の意見を言う経験を通して自分の言葉で話すことが好きだとわかったんです。万人に愛されることを目指すアナウンサーではなく自分の思いを正直に表現していく発信者でありたいと。幼いころから続けていて、夢中になれる“絵を描くこと”が私にとって表現の手段でした。
たとえリスクがあったとしてもやりたいと思えたので、迷いなく退社という決断をしました」
前出の鎮目さんは近年のアナウンサーの他業界への転身の背景をこう見る。
「そもそもアナウンサーは、頭がよくてコミュニケーション能力も高い人が多い職業。アナウンサー以外の仕事でも活躍できる能力を持っている人ばかりだと思います。
ですが、テレビ局のアナウンサーに求められるのは、番組のプロデューサーやディレクターの指示に従って振る舞うこと。自分を殺してタレントを引き立てたり、番組を盛り上げたりといったことに徹するうちに、むなしさを感じるようになってしまうことがあります。