2022年4月7日 06:00
コロナで肺炎疑いの乳児が入院できず死亡…遺族が悲惨な医療現場の実態を告発
亡くなった彩香ちゃん
今年2月、病院を受診したのに自宅療養とされ、コロナで命を落とした2人。厚労省の作成したずさんな指針が、か弱い生命を脅かしている――。
「肺炎かも、と診断されたときに入院させてもらえていたら、娘は死なずに済んだかもしれない」
言葉を詰まらせながらそう話すのは、京都府在住の川谷茂樹さん(仮名・39)。妻と2歳・1歳・生後11カ月の彩香ちゃん(仮名)の5人家族だったが、今年2月26日、彩香ちゃんをコロナ感染で亡くした。
その1週間前の19日、臨月だった妻が出産前に受けたPCR検査で陽性と判明。その後、家族全員に感染がひろがった。
「みんな無症状でしたが、彩香だけ21日の夜に38.8度の熱が出て。翌朝は下がったので、それを保健所に伝えたら『自宅療養でいいですね』と言われて。
でも、私ひとりで3人の子を見ていたので、彩香だけでも妻と同じ病院に入院させてほしいと思っていたんです」
しかし、「無症状でも入院できますか」と尋ねた川谷さんへの返答は「無理ですね」のひと言だった。
「23日の夜になって、彩香がコンコンと咳をし始めたんです。翌朝になるとゼーゼーと苦しそうで」
川谷さんは、慌てて保健所に連絡し「受診できる病院を探してほしい」