2022年6月15日 06:00
「過労死ライン超え」の学校も…専門家語る“ブラック吹奏楽部”の実態「同調圧力が強い」
と指摘し、こう読み解く。
「みんなでひとつの楽曲を演奏することから、一体感などが求められやすい。しかし一方で、ひとつ間違えるだけでその子のミスが極端に目立つというような集団的特徴もあります。その分、そこで息苦しさを味わう生徒さんも出てくるという構図があります。協調性ないし同調圧力が強い部活動と言えるでしょう。ですので、人間関係でトラブルを抱えることはよくあることですね」
練習時間が長くなってしまうのも、運動部にはない事情がある。
「運動部は暑い季節になると、長時間の練習は熱中症などにもつながるのでできないんですよね。ところが吹奏楽部はエアコンのついた室内での活動だし、演奏の練習に際しては体を活発に動かすわけではないので長時間の練習ができてしまうんです。
とくに大会前になると、合宿などで早朝に起きて、夕食前までずっと練習し、そのあと夕食とお風呂を急いで終えて、また夜も練習する…といったケースも聞きました。ものすごい過酷なトレーニングをする文化が一部であるんですよね」
■大会を目指すがゆえに“ブラック部活動”化してしまう
では、なぜ長時間もの練習を行うのか?それは大会やコンクールを目指すためだという。