2022年6月15日 06:00
「過労死ライン超え」の学校も…専門家語る“ブラック吹奏楽部”の実態「同調圧力が強い」
「大会の参加と練習の長時間化は非常にリンクしていると思います」と指摘する内田氏は、こう続ける。
「とりわけ強いチームになると、全国大会を目指すための県大会やブロック大会、あるいは地方大会といった予選があります。そのため、ほぼ毎月大会があるという状態になることも多いのです」
つまり大会を目指すがゆえに、“ブラック部活動”化してしまうというのだ。
そんななか、スポーツ庁は今年6月6日、運動部を対象に「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言」を発表。そこには「大会の在り方」として、「生徒の心身の負担や保護者の金銭負担が過重にならないよう、国からスポーツ団体等に対し、全国大会の開催回数の精選を要請」するよう求めている。この提言は今後、文化部にも適用されるか注目されている。
このことを踏まえ、内田氏は「大会で優勝したいがために、長時間の練習をするなど頑張りすぎてしまう。それを回避するためには大会の参加を抑制したり、競技団体の協力を得ながら大会の数をできるだけ減らしたりすることが必要でしょう」と話す。
このような負担が懸念されるなか、生徒の保護者はどのように受け止めているのだろうか?内田氏はこう推察する。