2022年8月16日 06:00
オミクロンでも発生…コロナ後遺症で認知症状態に「娘から何度も同じ話してるよって」
しかし、以前ならできたマルチタスクがこなせない。
「ひとつのことをやっているときに別のことを頼まれると、先にやっていたことを忘れてしまうんです。周りは後遺症のことを理解してサポートしてくれるんですが、迷惑をかけていることが心苦しくて……」
記憶力が極度に低下した沢口さん。人と約束するときは、忘れないように携帯のアラームを必ずセットし、駐車場に車を止めたら、周囲の風景を写真に撮ったりメモをして、何とか暮らしているという。
■オミクロンの後遺症でも認知障害は発生
「オミクロン株だからといって、後遺症がこれまでの株と比べて軽いわけではありません」
そう警鐘を鳴らすのは、これまで4千例を超えるコロナ後遺症を診てきたヒラハタクリニック(東京・渋谷)院長の平畑光一さん。
さらに、認知機能が低下するという後遺症は、比較的軽症が多いとされるオミクロン株でも、依然多いという。
「当院の患者さんでも、駅から家に帰る道がわからないとか、一桁の足し算をするのに5秒以上かかる、などと訴える高校生もいます」
治療法はあるのか。
「コロナ後遺症の方の多くは、鼻と喉の間にある上咽頭に炎症を起こしているケースが多く、耳鼻咽喉科でここを治療することで症状が軽減されることが多いです。