くらし情報『白内障で目が見えない象のアヌーラ 体調が悪い時は仲間の象に支えられた』

2022年8月28日 06:00

白内障で目が見えない象のアヌーラ 体調が悪い時は仲間の象に支えられた

鼻を頼りに暮らすアヌーラ

鼻を頼りに暮らすアヌーラ



【前編】国内最高齢ゾウのアヌーラ三笠宮さまご夫妻の平和の願いを乗せてより続く

8月6日。77年前、広島に原爆が落とされた日だ。そんな日に多摩動物公園を訪れると、1頭の象が歓声を上げる子どもたちに囲まれていた。

象の名前はアヌーラ。国内最高齢のおじいちゃん象は、戦後、スリランカから日本にやってきた。平和と友好の象徴だ。白内障で目が見えないアヌーラは、それを感じさせないほど元気な姿を見せてくれる。そんなアヌーラは、さまざまな人と縁がある。
時に、アヌーラは彼らの願いを受け止めてきたーー。

「多摩動物公園には、アヌーラのほかに7歳年上のタカコと3つ年下のガチャコという2頭の雌ゾウがいました。とくにタカコはアネゴ肌で、ガチャコと仲がいい。若かったアヌーラは仲間に入れなくて、いつも放飼場の隅においやられていじけていましたね」

とは多摩動物公園の飼育スタッフの山川宏治さん(68)。19歳で飼育係になり、最初に担当したのがアヌーラだったという。

「初めて彼を担当したときは、早く覚えてもらおうと直接鼻までりんごを持っていったんです。今から思えば、それはとても危険な行為でした。

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