くらし情報『年金積立金で株式投資…「アベノミクス」が高めた年金大減額の可能性』

2022年9月26日 06:00

年金積立金で株式投資…「アベノミクス」が高めた年金大減額の可能性

当初はローリスク・ローリターンの債券を中心に運用していた。2006~2009年の投資先は67%が国内債券。比較的リスクの高い国内外の株式は合計20%ほどだった。

「ところが2014年、アベノミクスの成長戦略として株高を演出するために、GPIFの資産で積極的な株式運用をする方向に舵が切られたのです」(北村さん)

国内債券の割合を段階的に減らしていき、リスクの高い国内外株の割合を増やしていった。現在の投資先の割合は、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式がそれぞれ25%になっている。

「確かに株高は実現しましたが、同時にリスクも負うことになったのです」(北村さん)

実際に、2015年には中国株の暴落によって5兆円、2018年には世界同時株安の影響で15兆円の損失を出している。今年の4~6月期も3兆7千億円もの赤字が出た。世界同時株安などが起これば、積立金が大きく減り、将来の年金支給に支障が出る可能性もある。


GPIFは「年金積立金は長期的な運用を行うものであり、その運用状況も長期的に判断することが必要」(GPIFホームページより)というが、そもそも大量の株式を保有すること自体にリスクがあると、近藤さんは言う。

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