くらし情報『91歳、現役介護看護師の74年間 利用者と目を合わせ、話に耳を傾け、肌を合わせる』

2022年10月23日 06:00

91歳、現役介護看護師の74年間 利用者と目を合わせ、話に耳を傾け、肌を合わせる

17歳で養成所を出ると、そのまま舞鶴病院の防疫班などに勤務。結婚は19歳で、2年後には長男が生まれた。

しかし、船員だった夫は、新婚当初から、ほとんど家庭を顧みなかったという。

「舞鶴病院のあとの丹後中央病院のころは、准看護学校で教務の仕事に就いて自立もでき、夜勤もなかったので、息子が小2のとき離婚しました」

■退院間近の高齢男性の飛び降り自殺が契機に国内でも先駆けとなる訪問看護を開始

当時から先進的な医療に取り組んでいた京都南病院へ移ったのは36歳のときで、総婦長に抜てきされる。ここで、大きな転機となる出来事が起きる。入院患者の自殺だった。

「よくお話をする患者さんの一人で、退院間近の高齢の男性でした。その日、ご家族の面会が終わったあと、寂しそうに打ち明けてくれたんです。


『さっき、おじいちゃんの部屋はもう孫の勉強部屋になっている、と告げられた』と。 退院しても、実家に自分の居場所はないと悲観したんでしょうね。その後、3階の病室の窓から飛び降りはりました。私は、男性の話を聞かされたとき、『家に帰るのも、いろいろ大変ですね』としか言えませんでした」

深い後悔に襲われた細井さんは、こんなことを考え始める。

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