くらし情報『【後編】“最後の絵画展”蛭子さんの今が描かれた作品が完成!』

2022年10月24日 15:50

【後編】“最後の絵画展”蛭子さんの今が描かれた作品が完成!

大倉さんは、臨床美術士は伴走者だと話していた。

「ヒモを引いて誘導するのではなく、その人が持っている感性を引き出すことです」

認知症で記憶は失われるかもしれないけれど感情は残る。その人らしさに寄り添い続けることを忘れてはいけないようだ。

■絵が完成!蛭子さんが一言「売れますかね?」

豪快に滑走するボートに色づけをしていた蛭子さんが、手にしていたオイルパステルを置いた。上気した顔にはいつもの笑みが戻っている。自由奔放な色彩と不思議でエネルギッシュな絵柄。一世を風靡した蛭子さんのヘタウマ画風が戻ってきた。

大倉さんは、蛭子さんのやり切った笑顔に満足している。
蛭子さんの才能はまったく涸れていない。感性を刺激して自信を持たせればいいのだ。

「いい絵ですね。蛭子さんの絵は人を引きつけますね」と褒められた蛭子さんは、頭をポリポリしながら、

「いくらで売れますかね?」

お金を稼ぐどん欲さは認知症になってもならなくても変わらない。

「これからも描いていきましょう」。大倉さんは蛭子さんのやる気スイッチをまたひとつ見つけたようだ。

蛭子さんの展覧会は夢物語ではなく、実現に一歩近づいた。〈おわり〉

※今回、蛭子さんが体験したのは臨床美術の手法によるコミュニケーションを通した絵画制作であり、実際の臨床美術のプログラムとは異なります。

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