くらし情報『文学賞より売れると評判の“新井賞”創設の書店員 39歳でストリッパーデビューした理由』

文学賞より売れると評判の“新井賞”創設の書店員 39歳でストリッパーデビューした理由

「もともと本好きでしたが、本って一人で読むもので、そこで完結してるじゃないですか。それが書店で働き始めたら、地下に休憩室があって、私しか知らないだろうと思っていた作家の話で、みんなで盛り上がってたりして、そうか、こんな人たちが、あの本屋の刺激的な棚を作っていたのかと。バイトも早番・遅番とフルフルで入って、遅番では夜10時過ぎに勤務を終えても話が尽きなくて、飲みに行ってまた本談議。振り返れば、あの一時期、奇跡的に本のスペシャリストが集まっていたのかも」

さらに終業後、売場を歩いて自分の財布で読みたい本を買うことがルーティンとなっていく。

「手に取る本は、光って見えるんです。今の自分の状態とか関心や、前に読んだ本とどこかでつながっていたり。ただ書店員としては、単に本好きの自分を押し通すのではなく、いかに会社に利益をもたらすかということを考え、実践するのが私は好きでした。いわばゲーム感覚で、売ることを楽しんでいた。
店頭のポップなんかも、自分の思いを吐き出すより、あえてキャッチーな言葉を使って、お客さんの気を引くことを考えました」

14年の新井賞の創設も、その思考の上にある。

「もともとは、直木賞で私がいちばんおもしろいと思っていた候補作が落ちたのがきっかけ。

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