2023年3月22日 06:00
コロナ5類移行の治療費負担増額リスト7 受診控えで在宅死急増の危機
とくに地方では、公立・公的病院の統廃合が進み、病床が減らされています。コロナのみならず、新たな感染症が流行した場合も、入院できない人が増えると懸念しています」
病院に入院できないなら自宅療養しかないが、「患者は厳しい状況に置かれている」と危機感を示すのは、ひなた在宅クリニック山王の院長、田代和馬さん。
「患者さんには困窮されている方も少なくありません。第8波で肺炎になった患者さんを往診した際、医療ひっ迫の最中で入院ができず、自宅に酸素呼吸器を設置して対応しようとしました。呼吸器は電気代が月約4000円。〈とても払えないから〉とお断りされたんです」
病院で電気代を負担するから、と言っても頑なに断られ、なんとか呼吸器なしで乗り切ったという。
「リスクの高い患者の場合、抗ウイルス薬を使用することも多いが、1割負担でも約1万円かかる見込みです。そのうえ往診料も必要になるので、がまんした結果、手遅れになる方が増えるかもしれません」(田代さん)
患者の負担額が増えると診療控えによる症状悪化が懸念される。
重症化や死亡リスクを下げるためには、今後も年に2回のワクチン接種が推奨される。しかし、表のように、今後はワクチン接種も9600円の実費が必要になる可能性が。