私も、自分がいまこうやって子育てできているのは、いろんな人の助けがあってこそだと思うから。夫のことを手助けしながら、恩返しができたらいいなと思います」
取材終盤。寮に戻る準備を始めた長女・陽華さんにこんな質問をぶつけてみた。
「将来、結婚したら子どもはたくさん欲しい?」
すると、長女は「いらないです」と即答、両親の笑いを誘った。
「お父さん、お母さんが大変なの、見てきたから。3人でいいです」
厚労省のデータによると、1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当する合計特殊出生率は、’21年は1.30。’22年はそれをさらに下回る公算が大きい。「それを思えば、3人でも十分な数字」と記者が指摘すると父・達也さん、長女に向かって笑顔でこう語りかけた。
「陽華が将来子どもを3人産んだら、国が『よしよし』って褒めてくれるかもしらんよ」
彩子さんもうれしそうに続けた。
「うちの子たちがみんな、3人ずつ子どもを授かったら……私たち27人の孫たちの、おじいちゃんとおばあちゃんになれるんだね」
この国の未来を救うのは、山本家のような“異次元の大家族”の存在なのではないだろうか。
【後編】7男2女、11人の大家族の日常をSNSに投稿ママたちの熱い支持を集める「さぃさん」へ続く
これでもう忘れない? 上履きに書かれたメッセージに「天才的!」