母の隣で、うなずきながら聞いていたのは長女。彩子さんが「陽華は下の子、みんな立ち会った?」と問いかけると「寮におったから、かんちゃん(歓大くん)のときだけ立ち会えんかった」と。
「でも、大ちゃん(大地くん)のときかな、初めて赤ちゃんを取り上げるお手伝いを。すごく感動しました。涙は出ませんでしたけど(笑)」
■家族がいて自分もいるのだから、子どもたちには家族を大事にする人になってほしい
「私は子どもたちに、家族を大事にする人になってほしい。いまどきは『自分は自分、これは私の人生だから』って考えの人も少なくないと思います。でも、家族がおって自分がおって、自分の人生もあると思うし、うちの子たちは、それを理解できる経験をしてきていると思うんです。それがわかっていれば将来、つながりを大切にできる、節度を持った大人になってくれると信じているんです」
こう語る彩子さんに、この先の自身の夢を尋ねると「私、夢ってとくにないんですよ」と笑った。
「夫は自分たちの子育てが一段落したら、いま働いている児童養護施設のような、地域の子どもたちの面倒を見るファミリーホームを作りたいと考えているみたいで。