子ども3人ママが末期がん告知で一念発起 余命2カ月を超えて走り続けるキッチンカー
なるほどね〜、あと15年も働かそうと思ってるんだ。こわか〜(笑)」
これには敬介さんも、苦笑いを浮かべるしかなかった。
息子たちは、母の病いをどう受け止めているのか。秋吉さんは「がんが見つかったときから正直に話してきた」という。敬介さんが続ける。
「でも、まだ当時は3人とも小さかったけん、よくわかってなかったと思う。ただ、僕からは当時も、最近も、『いつどうなるかわからんけん、ちゃんと一緒の時間をいっぱい過ごして。思い出、作れよ』とは言って聞かせてます」
8年前、秋吉さんにがんが見つかって以来、秋吉さんたち家族の間で一つ、大きく変えたことがあった。
秋吉さんが言う。
「それまでは、各部屋でバラバラで寝てたんですけど。あの日からは、家族全員でリビングに布団を敷いて一緒に。それは、もう何年もたったいまも、そうしてます」
■「駅前のキッチンカーでみんなでクレープ食べたな」と思い出してくれれば最高に幸せ
「家の前にプレハブを建てて小さな加工場にする予定。加工場があれば、余った果物をジャムにしたり、まだ、できることがあるから」
現在の目標を尋ねると、秋吉さんは笑顔でこう話した。彼女の夢は、キッチンカーだけでは収まりきらないということなのだろうか。