子ども3人ママが末期がん告知で一念発起 余命2カ月を超えて走り続けるキッチンカー
「じつは、キッチンカーを手伝ってくれている女のコがいるんです。彼女、将来についていろいろ悩んでいるみたいで。でも、すごく真面目ないいコだから、私が力になれないかなと。加工場があれば、2年間、そういうところで働けば、調理師試験の受験資格が得られるんです。彼女が将来、どうなりたいか、それに私の体がそれまでもつかもわからないけど。資格が取れたら、それが彼女の何かのきっかけや、生きていく自信にもなると思うから」
うなずいていた夫。記者に向かって「言ったとおりでしょ」と、相好を崩してみせた。
「自分より誰かのこと。
自分の子どもかどうかなんて関係なし。いつも彼女はこんな感じなんです」
横槍を入れた夫をジロッと睨みつけてから、秋吉さんが続けた。
「私は、息子たちはもちろん、地域の子どもたちの思い出になりたい。将来、大人になったとき『秋吉のおばちゃんのキッチンカーで、みんなでクレープ食べたな』って、思い出してくれたら最高に幸せ」
それは、巡りめぐって、いつかは3人の息子たちのためにもなると、秋吉さんは信じている。
「町の子どもたちには、そうやって信頼し合える仲間を作ってもらいたい。それは、息子たちもそう。