くらし情報『蛭子さん“最後の展覧会”制作現場の挨拶は「毎回『初めまして』」』

2023年9月27日 11:00

蛭子さん“最後の展覧会”制作現場の挨拶は「毎回『初めまして』」

それでも蛭子さんは、途切れた糸が再びつながるように、体調がいいときは、会話が通じ合い、古い記憶を語ることさえある。

展覧会場に、蛭子さんの絵を見た人たちの感想が聞こえてくる。「色づかいのセンスがいいよね」「タイトルの付け方が蛭子さんだ」。なかには「蛭子さんが楽しそうに絵を描いていたと思うとうれしいね」とつぶやく人もいた。

蛭子さんを包み込むふんわりとした空間。覚えていてもいなくても、かつての仲間たちに囲まれて、蛭子さんの表情が穏やかになる。

絵画展のために用意した作品のなかに、スケッチブックに描いた絵がある。《ギクッ》と銘打たれたその絵の前に立った蛭子さんは、ペンを握り、自筆のサインとともに空白の部分に男性の絵を描き加えた。
それによって《ギクッ》というタイトルが際立った。

「蛭子さん、すごい!」

歓声があがる。気をよくした蛭子さんが持つペンは、紙をはみ出して白壁にまで。展覧会場のスタッフも苦笑するしかない。

かつての漫画家仲間や一緒に仕事をした編集者が囲み、語りかけ、一緒に写真におさまる。蛭子さんの周りに笑顔が咲く。

蛭子さんもおなかの底からうれしそうに笑う。人のよさそうなあの笑顔が満開に。

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