大船渡市の復興と地域活性化に励むフランス出身女性 あの人気タレントも見届けた「ホタテ漁師からの求婚」
実は、イザベルさんも恋し浜のパワーを受けた一人なのだ。2人の出会いは大震災直後。淳さんが振り返る。
「近隣に犠牲者こそ出ませんでしたが、3・11の大津波で作業場は全部流され、育てていたホタテもロープも流されて全滅状態でした。小さな漁港なので国や県の援助を待っていたら、いつまでたっても順番が回ってこないと、世界規模の民間団体に支援をお願いしました」
そこで賛同してくれたのが「オールハンズ」、イザベルさんがボランティアに協力した団体だった。
「オールハンズのアジア代表理事が集めてくれた寄付は個人からのものもありましたので、私は東京のイベントに出席して、現状を説明しました。それが’12年5月。イザベルもオールハンズのスタッフとして、その説明会に参加していました」
その初対面の場では、イザベルさんにとって淳さんは「特に印象に残らなかった」という。
彼女の中で淳さんの存在がハッキリと認識されたのは’16年、アメリカのドキュメンタリーチャンネルの記者が淳さんを取材するため、イザベルさんが通訳についた際のことだった。
「その記者はろくに予習もせず、被災者の淳に失礼な質問ばかりしました。『震災から5年、被災地はもう忘れられています』とか。