くらし情報『南樺太、ウクライナ――戦争で2度「故郷」を奪われ日本へ避難した降簱英捷さん(79)』

南樺太、ウクライナ――戦争で2度「故郷」を奪われ日本へ避難した降簱英捷さん(79)

人生半ばを過ぎて永住帰国した残留邦人は、日本語を習得することが困難であり、優れた通訳者の支援は命綱なのだ。

「支援というより、英捷さんには私のほうがロシア語教室を手伝っていただき、助けられていることが多いです」

と柔らかくほほ笑む桃子さん。

ウクライナから英捷さんとともに日本に避難した孫の妻のインナさんは、着いた早々に妊娠が判明。1カ月も滞在せず、娘のソフィアちゃんとともにウクライナへ帰還した。やむなく大学を休学していた孫のヴラーダさんも、1年5カ月を日本で過ごしたのち、復学のために故国で生きる道を選択した。

■ウクライナと日本――。家族を引き裂く戦争は、早く終わらせなければ

ウクライナの現状を目にした英捷さんは現地に思いを馳せる。

「彼女たちが無事で生きていってくれることを祈るしかありません。
ジトーミルはいまだにミサイルが上空を飛び交い、頻繁にサイレンが鳴り響く夜が続いている。いまやこの状況が日常となってしまっているのです」

私は軍事専門家ではなく、普通の市民である──と前置きし、英捷さんはこう訴える。

「戦争は絶対にしてはいけない。当初半年で終わるといわれていた戦争は2年近くも続いています。

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